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リリエンタールの伏線構造について
作品は終わっても、
ネタさえあればまだいろいろと書いていきたいなあと。


他作品をいろいろ引き合いに出していますが
決してその作品を貶めているわけではないので。

リリエンタールという作品は、
ジャンプの中では実に特殊な構造を持った作品なのです。

基本的には銀魂やスケットと同じ短話完結型の作品でありながら、
しかし全体としてはむしろONE PIECEやPSYRENと同じ
ストーリー重視型の構造を採っているのです。

リリエンタールは1つ1つのシリーズが密接に繋がりを持つように、
「以降のシリーズで使う情報を予め公開しておく」という手をよく使います。
現在のスケットの展開で例えるなら、
過去にやった「髪の毛が伸びる薬」や「透明になる薬」の話の時点ですでに、
イレカワールとサイミンという薬もある、ということを読者に公開しておくような、
そんな話の作り方をしているのですリリエンタールは。

こういう話の作り方は、ONE PIECEやPSYRENのような
ストーリー型の漫画では見かけますが、
リリエンタールのような短話完結コメディではほとんど見かけません。
そもそも短話完結コメディのいいところは、
各話独立なのでアドリブ性が高い(テコ入れしやすい)、
新規読者が参入しやすい、というところにあるので、
その「いいところ」を潰してしまうような話の作り方は
採用しないのが当然なのです。

しかしリリエンタールは上記の方法を採用してしまった。
それゆえに上記の「いいところ」が発揮できず、
それが弱点となったという面はあるでしょう。
が、同時にジャンプでは他に類を見ない
「伏線ばら撒き型短話完結コメディ」という、
実に不思議なジャンルの漫画として独特な存在となれたことも確かでしょう。
いうなれば
「各島でのエピソードが2~3話で終わるONE PIECE」みたいなもんです。

別に伏線ばらまいたからって面白くなるわけじゃないです。
が、そんな話の作り方をするこの作品が大好きでした。

そんなリリエンタールが、いかにして伏線をばら撒き、
そして回収し、最終章でまとめ上げてきたかを図に。

rili_small2.png


矢印および角丸形が伏線、
真ん中の太い矢印に乗ってる四角が各話。
伏線は
・黄:リリエンタール関連
・赤:てつこ関連
・青:兄関連
・緑:不思議パワー関連
・黒:組織関連
です。
また各話タイトルは同一シリーズごとに枠線を色分けしてあります。

伏線の色と各話の色でかぶってるところがありますが
特に意味はありません。
ただ色が足りなかっただけです。

ちょっと雑多になったんで
マリーとか春永姉弟とか、
てつこの態度がまじん編を境に変わったこととか、
出番が多いのは伏線としては書いてません。
矢印がえらいことになりそうなんで。

これを見ると、ほぼすべてのシリーズにおいて、
以降の話で使うための伏線を張り巡らせていることがわかります。
例外は伏線と呼べるだけの活躍をしていないフライヤー号くらいのもので、
各話が密接に関係し合い、そして「しろいくろふく」から始まる最終シリーズで、
これまでの話から発生した伏線が綺麗に収束していくのが見て取れます。

ここから察するに、葦原先生は最初からある程度の全体の流れは考えていて、
かつ常に「終わらせ方」を意識しながら話を作ってきたのでしょう。
でなきゃこんな見事な伏線の回収はできないです。

個人的に好きなのは、
目さえガードすれば効かないおやすみビームと
"サングラス"組のアキラの関係、
あとシュバインさんが言ったセリフ=昔のボスの言葉の受け売り、
ってのもいいですね。

あと、完全放置で終わった伏線は、
おじいさん、兄の仕事、紳士組の解決した任務、
の3つくらいですかね。


ここから話はがらりと変わって。

リリエンタールは短話完結コメディとしては
かなり異質な構造をしているため、
他の短話完結作品と同列で語ることはできないと思うのです。

例えば、
銀魂やスケット、それに今の連載陣なら保健室の死神やLOCK ONなども、
基本的に各話・各シリーズは独立していてそこまで強い繋がりはありません。
よって、話を削ったり順番を入れ替えたり
といったことが容易に可能なのです。

銀魂や保健室のバレンタインデーの話は
1話まるまるカットしても全体の流れには特に支障はないし、
スケットの長編であるスイッチの過去編やカイメイロックフェスティバル編は
今のところ、やらなかったとしても特に現状に影響は及ぼしません。

これに対して、リリエンタールの場合はどこをとっても
「削れる話」がないのです。
各話が密接に結びついているため、どこかを削ったり順番を変えたりすると
全体の流れにまで影響を及ぼしてしまうので。

例えばよく言われる
「まじん編をやらなければよかった」
「まじん編はもっと後でよかったのに」
という意見には自分は賛同しかねます。
上図のとおり、まじん編はそれ以前の多数のシリーズからパスを受けて、
かつ以降の多数のシリーズにパスを回している重要なシリーズです。
ここを削るなんてことは作品全体の流れ的にありえない。

仮にまじん編をあのタイミングでやらなかったとすると、
その次の令一郎編もカナリーナ編も始めることができない。
あたらしいおへや編やフライヤー号編はできるかもしれないが、
まじん編をやっていないので
てつこのリリエンタールに対する態度が軟化しておらず、
同じことをやっても読み味が全然違う話になってしまう。

だから「まじん編はいらない・後でよかった」じゃなく、
「まじん編はこうするべきだった」と意見すべきだと思うのです。
まじん編はあのタイミングでやる他なく、
削ることも順番を変えることもできなかったのだから、
内容をもっとこうして面白くするべきだった、と言われるべき。


年末年始の合併号でやらなくても、という意見もあるでしょう。
が、そちらは別の記事でも書きましたが、
合併号でまじん編というのも作戦としてはアリだと思います。

そもそも、合併号で長編やるべきでない、というのは
「短編やってれば人気が取れる」という前提があってこその意見です。
リリエンタールという作品にとって最悪なのは、
「年末年始に短編やったけど結局アンケート結果は大して変わらず、
だから打ち切りになる運命も結局変わらず、
かつ年末年始にまじん編を進めておかなかったせいで
残り話数が足りず、最終話までに話をうまくまとめることができない」
というものです。
年末年始に短話攻勢というのは、
成功すればまじん編よりもアンケートがよくなる代わりに、
失敗すれば最終回のクオリティが落ちる、という
一種のギャンブルなわけです。

そして、悲しいことではありますが、
紳士編までの掲載順を見れば、短話攻勢にしたからといって
人気が取れるかと言えば、その可能性は薄いわけで。
だったら最初から「うまく話をまとめること」を見据えて
まじん編を始めたのは間違っていたとも言えないわけです。



とまあ、雑多に書いてきましたが、
個人的にはもう、
この作品は最初っから短期集中連載だったのだと思うことにしてます。
そう考えても違和感ないほどの伏線回収のクオリティがありますからですね。
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テーマ:賢い犬リリエンタール - ジャンル:アニメ・コミック

| リリエンタール考察 | 22:16 | トラックバック:0コメント:2
コメント
 こんにちは。

 葦原先生は本当に伏線の張り方が上手いですよねぇ。本筋の中にさりげなく挟んでくる絶妙なさじ加減、そしてそれが忘れた頃に回収された時のあの高揚感!毎週「リリエンタール」にはワクワクさせられたものでした…。

 また、少し否定的な意見になってしまい申し訳有りませんが、「あんこくまじん編」は入るべくして入ったのではなく、入らざるを得なかったのではないかなぁと思います。てつこがリリエンタールを認めるという過程は物語の根幹を成すものですし、作品が長期化するならもっとじっくりと描写していくべきものでした。そしてその過程で「まじん編」への布石をもう2・3打てていれば評価も変わってきたと思います。こんな議論に意味は無いのかもしれませんが…。

 しかし本当に惜しい作品を亡くしました…。ジャンプの中堅作品が中だるみで内容が薄くなってきている中、新鮮な面白さを与えてくれた「リリエンタール」の存在は正にオアシスでした。もっと続いていたらあんな話やこんな話が…といった想像は留まる所を知りませんが、その想像が決して現実にならないと思うと無念でなりません。後はもう葦原先生がこの無念を次回作で晴らしてくれる事を信じて待つばかりです…。

 以上、長文な上に本文と関係無い話ばかりになってしまいもうしわけない!
2010.05.21 Fri 23:04 | URL | ジョニィ
Re: タイトルなし
ジョニィさん
コメントありがとうございますm(_ _)m

>  葦原先生は本当に伏線の張り方が上手いですよねぇ。本筋の中にさりげなく挟んでくる絶妙なさじ加減、そしてそれが忘れた頃に回収された時のあの高揚感!毎週「リリエンタール」にはワクワクさせられたものでした…。
ですよね~。
最近、「第一話と最終話で家に着いたときの構図が同じ」
ってのを知ってこれまた感動した記憶があります。


>  また、少し否定的な意見になってしまい申し訳有りませんが、「あんこくまじん編」は入るべくして入ったのではなく、入らざるを得なかったのではないかなぁと思います。てつこがリリエンタールを認めるという過程は物語の根幹を成すものですし、作品が長期化するならもっとじっくりと描写していくべきものでした。そしてその過程で「まじん編」への布石をもう2・3打てていれば評価も変わってきたと思います。こんな議論に意味は無いのかもしれませんが…。
ですね。自分もそう思います。
まじん編は物語をうまく締めるために
どうしてもあのタイミングで入れざるを得なくなってしまったのだと。
紳士編開始の時点でもうすこしアンケが取れていたなら、
まじんから始まる流れとは独立した別の話とかやれていたんでしょうね。
おじいさんとか兄の仕事とか。
あとゆきは初登場から活躍までの期間が長すぎたので、
まじんより前にゆきのテニス話とかの構想でも
あったんかもしれません。


>  しかし本当に惜しい作品を亡くしました…。ジャンプの中堅作品が中だるみで内容が薄くなってきている中、新鮮な面白さを与えてくれた「リリエンタール」の存在は正にオアシスでした。もっと続いていたらあんな話やこんな話が…といった想像は留まる所を知りませんが、その想像が決して現実にならないと思うと無念でなりません。後はもう葦原先生がこの無念を次回作で晴らしてくれる事を信じて待つばかりです…。
本当ですね...
長いことジャンプよんでますが、
こんなにも打ち切りがもったいないと思った作品は初めてかもしれません。
山彦と紳士組の解決した任務の話はぜひやってもらいたかったです。

あるいは3,4巻のおまけに期待することも・・・
さすがにその後の話を書き下ろしは無理っぽいですが、
「○○の1日」とかの形でなんとか補完してくれないものですかねえ。

2010.05.22 Sat 13:04 | URL | psychobind
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